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漉き加工について

①漉き加工とは

革の厚みを薄くする加工のことを漉き加工といいます

漉き加工イメージ

②特徴

・天然の皮革であることや、漉き加工機械の性質上、上がりミリ数から上下0.3mm程度の厚さブレが生じます

例) 2.0mm上がりの場合
  →漉き加工後の計測値が、部分的に1.7mmから2.3mmの箇所も存在しうるということです

・0.7mmよりも薄くすると『漉き切れ』が生じる可能性が高くなります

例)0.6mmに漉き加工をしたときに発生した『漉き切れ』の画像

③漉き加工の注文方法

伊藤登商店では、4パターンの漉き加工を承っております

1)全面1枚漉き
2)縦2分割
3)横2分割
4)背割り

  ★分割する位置(%やcm)や、漉き上がり厚さ(mm数)のご希望をお知らせ下さい


1) 全面1枚漉き
半裁革の全体を漉き加工することを全面1枚漉きと称しております

全面1枚漉きの例
全面1枚漉き: 2.0mm上がり


2)縦2分割
半裁革をベンズ側 / ショルダー側の間で分割することを縦2分割と称しております

縦2分割の例
・ベンズ側   70%: 2.5mm上がり
・ショルダー側 30%: 1.8mm上がり


3)横2分割
半裁革を背側  /  腹側の間で分割することを横2分割と称しております

横2分割の例
背取り 30cm  現厚(漉き加工無し)
腹側 (残り)   0.8mm 


4)背割り
Wショルダー形状の革を背骨のラインで分割することを背割りと称しております

背割りの例
・右肩: 1.0mm上がり
・左肩: 1.5mm上がり

④床革について

床革とは、漉いた後の吟面から分離した裏面の革のことです

漉き加工のご注文と同時に、床革の不要(廃棄処分)をお知らせください  

床:要 を選択しても、床革が薄過ぎてもろくなり、巻くことすらできないもの、また、『漉き切れ』や『破れ』『穴』が生じている場合は、外注先加工所にて廃棄されます

⑤加工料金

加工料金:770円(税込)/枚 or 部位

※分割して、両側をそれぞれ加工する場合は、1,540円になります

⑥その他

● 革は繊維質の集まりですので、薄くなるほど紙よりも破れやすい状態になります

● 吟面(皮膚面)から更に内側の 床革 は、薄くなるほどボロボロ、或いは粉々になります

●「現厚5.0mm以上 の革を 1.0mm上がりで漉くと 床革は4.0mm …ではない??」

 分厚い革を薄く漉いたら、分厚い床革が残ると思われがちですが、
分厚い状態から一気に1.0mmの厚さにせず、
一旦
『荒漉き』で厚みを減らしてから1.0mmへ調整することがあります。

<現厚>5.0mm - <上がりミリ数>1.0mm = 《床革》4.0mm程度
   …ではなく、
<現厚>5.0mm →[荒漉き]で2~3.0mm - <上がりミリ数>1.0mm =《床革》1~2.0mm程度
 になる場合がありますので、予めご了承ください。

🛒 漉き加工の注文窓口

革の購入と同時に受注していた漉き加工代行サービスに加え、
すでにお持ちの革を対象とした【漉き加工のみ】のご注文を承っております。

・落札した革の漉き加工を注文し忘れた
・漉いてあるけど、もう少し薄くした方が使いやすそうだ
・3パターン以上の厚さで漉き加工をしたい(2分割では足りない)
・どこで購入した革だったか忘れたけど、薄くしたい

……等々のお困りごとを解決します。